明治天皇の専用客車、6年ぶりに公開…漆・螺鈿・七宝焼・西陣織がちりばめられた車内を間近に

f:id:kami0504:20241013174521j:image

博物館明治村(愛知県犬山市)で、明治天皇と后(きさき)の昭憲皇太后が乗車した専用客車内部の特別公開が12日に始まった。公開は6年ぶりで、2両は村内の鉄道局新橋工場で展示されている。27日まで。

 

f:id:kami0504:20241013174640j:image

天皇用は1910年(明治43年)、皇太后用は1902年(同35年)に製造され、ともに鉄道記念物に指定されている。通常は車外から通路を隔てて見学できる車内に入り、女官室、侍従室、特別室を間近にすることができる。

 

内装には、漆や螺鈿(らでん)(貝殻模様)、名古屋の七宝焼、京都の西陣織などが施され、当時の工芸技術の粋が集められている。扉は蝶番(ちょうつがい)まで菊模様、天井は飛鳥画や金模様が装飾されている。


担当の学芸員は「時代の変わり目に、江戸時代まで伝わった技術を今につないだ意義ある特別車両」と説明している。公開時間は期間中、午前10時半~正午と午後1~3時。