日本は世界でも数少ない飛行艇を独自開発できる国ですが、今後は「無人飛行艇」も登場しそうです。新明和工業は2024年4月、内閣府主導で創設された「経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)」に参画し、その一環として無人飛行艇を開発することを明らかにしました。
新明和工業は、飛行艇や水上機の開発を得意とした川西航空機を前身とする企業で、現在は海上自衛隊のUS-2救難飛行艇を製造しています。
同社は今後5年間、「海空無人機による海洋観測・監視・調査システムの構築」に取り組むとのこと。この研究開発課題は、科学術振興機構(JST)の公募に対して、海洋研究開発機構(JAMSTEC) や新明和工業などが共同で応募し、正式契約に至ったものです。
この研究では、日本の広大なEEZ(排他的経済水域)をより効率的かつ安全に調査できる無人機技術を確立するとしています。その中で、海底探査能力を持つ自律型無人探査機 (AUV)や無人飛行艇などの開発が盛り込まれています。
無人飛行艇は、AUVを調査海域まで運搬・投入・回収する輸送システムとなります。開発にあたっては、US-2救難飛行艇の設計・製造で培った技術なども活用するそう。無人飛行艇の外観イメージを見ると、機体は双胴で、主翼は左右とも下側へ向けて湾曲した「逆ガル翼」のように見えます。