ロシア国防省は21日、ロシア軍がウクライナ侵略の拠点としている南部軍管区(司令部・南部ロストフ・ナ・ドヌー)で、戦術核兵器の部隊による軍事演習の第1段階を開始したと発表した。核戦力を誇示し、ウクライナへの軍事支援を続ける北大西洋条約機構(NATO)加盟国などを威嚇する狙いがあるとみられる。
発表によると、短距離弾道ミサイル「イスカンデル」や極超音速ミサイル「キンジャル」に特殊な弾頭を搭載し、発射の準備を進める演習を実施した。演習は「西側当局者の挑発的な発言や脅迫への対抗」が狙いだと主張している。フランスのマクロン大統領が仏軍部隊のウクライナ派遣の可能性に言及したことなどが念頭にあるとみられる。
プーチン大統領は今月9日、演習は3段階で、「ベラルーシは第2段階で参加する」との見通しを語っており、今後、ベラルーシが参加する見通しだ。ロイター通信によると、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は4月、自国内にロシアの戦術核兵器が数十発配備されていると議会で明らかにしていた。
読売新聞より引用