【北京共同】北朝鮮メディアは31日、韓国を威嚇する軍事デモンストレーションとして、金正恩朝鮮労働党総書記が「戦術核攻撃手段」と位置付ける超大型放射砲(多連装ロケット砲)の一斉発射を軍部隊に命じたと伝えた。日付は明らかにしていないが、30日の発射を指すとみられる。横一列に並んだ移動式発射台から18発を同時発射する異例の規模となった。
北朝鮮は米韓の軍事訓練や偵察機による監視活動に強く反発している。例年8月ごろに実施される米韓両軍の大規模合同演習に向け、朝鮮半島情勢は緊張が高まる見通しだ。
ロケット砲は365キロ先の目標とする島に命中した。金氏は「核武力が戦争の抑止と主導権獲得の使命を遂行できるよう徹底的に準備しなくてはいけない」と述べた。
朝鮮中央通信は「敵が軍事力の行使をたくらむときはいつでも自衛権を発動し、先制攻撃も辞さない意思を示す」ための発射だと説明。米国と韓国などが今年1月から4月まで昨年比で2倍となる「140回以上の侵略戦争演習」を強行したとし、挑発を強めているのは米韓だと主張した。