一連の熊本地震で、2度目の震度7に揺れから8年となった16日、熊本県阿蘇市では、
市の職員や地元の人たちが犠牲者に黙とうをささげました。
8年前の熊本地震で震度6弱の揺れを観測した阿蘇市では、一連の地震であわせて
およそ1000棟の住宅が全半壊し、災害関連死で20人が犠牲になりました。
16日は、阿蘇市の阿蘇神社の前の広場で追悼の行事が行われ、市の職員や地元の人たち
およそ40人が参列しました。
午前10時になると、市内に追悼のサイレンが鳴り響き参列した人たちが犠牲者に黙とうをささげました。
このあと阿蘇市の佐藤義興市長は「復興の象徴である阿蘇神社の楼門が復旧したあと、初めての追悼式です。地震の教訓を風化させることなく、引き続き防災、減災にまい進していきます」とあいさつしました。
広場では、16日夕方から午後10時まで、犠牲者を追悼し、ちょうちんをともす催しが
行われる予定です。
本震の土砂崩れで亡くなった大学生の両親が祈り
8年前の熊本地震の本震による大規模な土砂崩れで亡くなった大学生の両親たちが熊本県南阿蘇村の現場近くを訪れ、地震の発生時刻にあわせて祈りをささげました。
8年前の4月16日の未明に発生した熊本地震の本震で南阿蘇村では、国道にかかる
橋が崩落する大規模な土砂崩れが発生し、近くを車で走っていた熊本県阿蘇市の大学生、大和晃さん(当時22歳)が土砂に巻き込まれ亡くなりました。
16日未明、両親たちが晃さんが見つかった現場の近くを訪れ、ろうそくに火を
ともして花をたむけました。
そして、地震が発生した時刻の午前1時25分になると、静かに祈りを
ささげていました。
父親の大和卓也さんは「地震が起きたときの状況を自分たちも感じることで息子の
痛みが少しでも和らいだらと思い、この時間に手を合わせに来ました。8年という
月日は自分たちにとってあっという間です。息子はいつも自分たちのそばで、
見守ってくれていると思います」と話していました。